◆3番(増田正博君)
ご指名をいただきましたので、通告順に従いご質問いたします。
時代の波は急速に動いている、その中で、来る21世紀にだれが勝つのか、だれが新世紀を手中にするのか、今、生き残りサバイバルをかけた熾烈な戦いが本格化している、経済界しかり、政界しかり、文化の世界も同様である、また、国も団体も個人においてもそうである、この時に何が必要か、最も重要なものは新鮮さの魅力である、新鮮であるかどうか、フレッシュかどうか、ここに勝負の決め手がある、と箴言にうたわれています。市当局にあっても、時代を先取りした新鮮で積極的な取り組みが期待されるところであります。
まえおきはさておき、質問に入ります。
件名1.IT革命に対応した、行政みずから率先した行財政改革の推進について。
要旨1.e行政(サイバー行政)の構築による行政改革について、率先行動計画策定による行政みずから年次計画を立てた計画的取り組みについてご質問いたします。
デジタル技術の進歩による情報技術革命の急速な進展は、インターネットの普及を促進し、さまざまな分野の社会システムを変えています。Eコマース(電子商取引)が急然に普及し始めることにより、多くの行政サービスもインターネットを通じたサービスが必然的に求められるようになります。行政サービスも選択の時代となり、利用者の支持がなければ存続できなくなります。2003年ごろには多くの中央官庁の行政手続がインターネットで行え、次第に地方自治体の行政サービスも同様の普及が予想されています。民間分野における電子商取引の普及と行政分野における政策的推進の相乗効果により、電子商取引の手法をベースにした多くの行政サービスがインターネットで利用できるようになります。市民を顧客としたフェース・ツー・フェースの顧客ニーズに基づいた市民サービスも可能になります。また、推進に当たってはネットアドバイザーを採用して専門的見地よりの推進が必要であります。リアル行政からサイバー行政への転換を行政みずからが率先行動計画策定の上、年次計画を立てて戦略的ビジョン策定を検討してはいかがでしょうか。ご所見を伺います。
要旨2.ネット広報室の計画的推進及びインターネット博覧会(ホームページ独立部門、インターネット広報室等)への積極的参加についてご質問いたします。
インターネットの普及により、行政サービスは職員を介することなく、利用者が自主的な選択で利用するようになります。その前提として、選択に必要な情報は十分に提供され、サービスに関する問い合わせや異議申し立ての仕組みも提供されるようになり、その選択の結果については個人の責任で、選択を誤っても自己責任になる。
選択の保障をするかわり、自己責任を求めることになります。本市のネット広報は担当課に情報を集中してネットで広報を行っていますが、担当の一課だけですべての情報管理をすることは物理的に不可能であろうと思います。本来それぞれの課で情報を管理して、瞬時にリアルタイムの広報をするのがインターネット広報室活用の持ち味であろうと思います。担当課は各課の情報を関連の索引にまとめて一括して管理すればよいものと思います。また、広報紙で紙面の都合上、掲載できない国、府の各種支援施策、中小企業支援策、各種融資制度、各種の奨学金制度等の広報もインターネット上で可能になると思います。
次に、インターネット博覧会への積極的参加について、通称イン博は、新千年紀出発の年として政府主催により2000年12月31日より1年間実施される記念事業であり、インターネット普及を目的として参加対象に地方公共団体も入っていることから本市としても積極的に参加を検討してはどうでしょうか。あわせてご所見を伺います。
件名2.みどりと音楽のあふれる潤いのあるまちづくりについて。
要旨1.音楽フェスティバル事業(青少年非行防止対策事業)の支援強化(会場費の運営補助等)による事業の活性化及び事業ビジョンについてご質問いたします。
音楽フェスティバル事業(前年事業費89万円)は青少年非行防止対策事業(前年事業費210万円)の一事業として青少年指導員に委託された事業であります。青少年の非行防止は大変に難しい問題であります。昨今の新聞紙上でも問題の17歳として象徴的に取り上げられています。音楽フェスティバルは年1回ラブリーホールで開催され、近隣の団体も含め13団体の66名が出演者で、音楽鑑賞には600名参加したそうであります。大きな音を出すことなどで練習会場に困り、ラブリーホールの使用料も高いことから市外の他施設を利用して合同練習をしたことにより、市外3施設の利用料金6万7,900円の出費が発生し、指導する青少年指導員の熱意のご好意によって個人で支払っていただいたそうであります。青少年非行防止対策は、現下の情勢から非常に大切な事業であります。個人の善意に頼るのではなく、事業がスムーズに運営できるように改善してはどうでしょうか。また、年々事業が発展している現状でもあり、当該事業費の拡充、市主催事業へ認定によるラブリーホール使用料免除、入場パンフレット等への音楽団体の広告掲載による事業費捻出等のアドバイス、事業活性化への市当局による長期事業ビジョンの策定についてご所見を伺います。
要旨2.大阪府より助成カットの小中学校の音楽鑑賞事業の市独自支援による事業の継続と活性化についてご質問いたします。
小中学校の生徒に生の音楽鑑賞の機会を提供する目的で大阪府による小中学校音楽鑑賞事業助成がカットになり、昨年より事業運営に一部支障が出始めている模様であります。本市では小学校5年生全員を対象に毎年1回実施されていると伺っていますが、無理のない事業運営ができるように支援を独自に検討してはいかがでしょうか。また、中学生に対する音楽鑑賞も検討してはいかがでしょうか。ご所見を伺います。
要旨3.ラブリーホール地下1階展示室(ギャラリー)の防音施工によるホールの活性化及び大阪シンフォニカー楽団のラブリーホールフランチャイズ化についてご質問いたします。
ラブリーホールが開設して8周年になりますが、市民会館の取り壊しにより、現在ラブリーホール全体の利用率もかなり上がっています。リハーサル室はいつも利用率が100%に限りなく近いそうです。反面、地下のギャラリーの利用率は44%であり、会議に利用すると、ふろの中でしゃべっているように声が室内にこもります。防音や吸音をすれば会議も十分できるようになります。ホールの活性化のために改善してはいかがでしょうか。また、ラブリーホール開館以来、当ホールを根拠地として活躍するプロの大阪シンフォニカー楽団があります。当ホールによる配慮は開館以来十分受けていますが、解決しない問題があります。楽団としての安定した安価な練習場がないことであります。プロの交響楽団は大阪府に4団体ありますが、練習場がないのは当楽団だけであります。大阪フィルハーモニーは南海の天下茶屋車庫跡地に大阪市が大フィル会館を建設して運営支援を行っています。東京墨田区ではトリフォニーホールで新日本フィルハーモニー楽団とフランチャイズ契約をして、区の文化事業推進と楽団の事業補助、運営補助を行っています。また、愛知県の岩倉市では、人口5万人足らずの市ではありますが、文化を大切にしているようで、セントラル愛知交響楽団に年間3,000万円の運営補助を行っています。本市でもラブリーホールと全国に23団体しかないプロの楽団の一つである大阪シンフォニカー楽団とフランチャイズ契約を行い、本市独自の市民文化事業推進、情操教育の推進及び同楽団の運営支援をラブリー文化プラン等で検討してはいかがでしょうか。
また、同楽団の敷島代表は河内長野市民であることも申し添えておきます。あわせてご所見を伺います。
以上、2件5項目の質問をいたします。誠意ある簡潔なご答弁をよろしくお願いいたします。
◎企画総務部理事(川口一憲君)
それでは、増田議員のご質問につきまして、件名1のうち要旨1のサイバー行政の構築による行政改革の計画的取り組みについてお答えします。
情報通信技術の急速な発展の中で行政情報の電子化及びその総合的な利用による行政事務の簡素化・効率化が大きく求められることとなっております。昨今の新聞報道におきましてもインターネット人口が2,000万人を突破したとの報道があり、このような流れはますます加速されていくものと考えております。また、国の施策におきましても、ミレニアム・プロジェクトとして平成15年度までに手続の電子化や行政間の相互ネットワークを実現する電子政府構想が示され、平成14年度から運用予定の住民情報ネットワークとあわせて大きな時代の転換期にあると考えております。
このような流れの中で、当市におきましても情報化推進による行政事務の簡素化・効率化に向けて電算化を推進してまいったところでございまして、平成12年度におきましては、市の例規類集の電子化、文書管理システムの導入について準備を進めているところでございます。これらは、従来の紙主体の業務から電子情報を利用した業務への転換の第一歩として考えており、電子情報を利用したより効率的な行政運営を目指すものとして導入するものでございます。また、平成7年度に運用を開始いたしました庁内LANにつきまして、今後の情報化施策の基盤的な役割を担うものであるものでございまして、今年度の更新時期に合わせて、より高速なネットワーク環境とするとともに、インターネットとの接続に備えて、住民情報システムを独立したネットワークで運用し、安全性を向上させたシステムにすべく準備を進めているところでございます。
次に、市民サービスについての取り組みでございますが、昨年度開設いたしましたホームページに続きまして、ご意見やご要望を電子メールで受け付け、市民の声を市政に反映すべく検討、準備を進めているところでございます。
今後の取り組みにつきましては、より積極的な展開として、情報機器を利用できない市民の方も考慮して、公共施設などに設置する開放端末の設置や、市民からの申請や手続の電子化などについても研究を進めてまいりたいと考えております。これらのシステム化につきましては、国、府、他市の動向に留意しながら、無理、むだのない効果的かつ計画的な導入を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
◎企画総務部長(藤進君)
続きまして、件名1の要旨2.ネット広報室の計画的推進及びインターネットの博覧会への積極的参加について問うということについてお答えを申し上げます。
今日、インターネットをする人は、その使いやすさや相互の情報交換が可能なことなどから、さきに述べましたように急速に利用者が伸びてきております。市におきましても、情報化施策の分野でインターネットは、利用のしやすさ、双方向性の実現などから活用範囲の広まりに期待をかけており、その一端といたしまして昨年10月に市のホームページを開設したところでございます。
主な内容につきましては、定期的な広報や統計、公共施設や観光の紹介など既存の情報提供と、各種届け出や手続、申請書をダウンロードするなど暮らしに係る情報提供を行っております。また、電子メールを活用した市民の意見や提言もいただいておりまして、今後は、ホームページに係る庁内LANとの接続がされれば各課で情報の入力や更新が可能となることから、大量の行政情報が入力できまして、情報公開条例に基づく管理体制のもとでデータベースによる幅広い利用が可能となってまいります。現在は、広報広聴課で入力から更新まで行っておりまして、データの管理に限界があることから、庁内LANとの接続やホームページ管理システムの改善について関係部局と協議を行っているところでございます。
次に、インターネット博覧会への積極的参加についてお答えを申し上げます。
インターネット博覧会は、2001年を新千年紀出発の年と位置づけまして、国が中心となり、現在44府県と7政令都市が参加する、いわば博覧会のパビリオンがインターネット上で展開される行事でございます。大阪府のパビリオンと申しましょうか、行事テーマは「民族芸能」となっておりますが、その内容や進め方につきましては、現在、大阪府において検討が進められているところでございまして、具体的な方針はまだ決まっておりません。参考となるものといたしましては、大阪府や堺市などの主催でこの7月から8月にかけまして、西暦2000年世界民族芸能祭「ワッショイ!2000」が堺市で開かれます。これも21世紀への橋渡しとしまして、生活や地域に根差した人々の生きざまとも言える伝承性と文化遺産を感じる民族芸能を紹介しながら交流を図るイベントとなっております。これらの行事を参考に、市として対象となるものがあるかどうかや、また、対象団体の参加意向などを十分調査の上、大阪府や関係機関とも十分協議を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
◎教育部長(森本義勝君)
件名2.みどりと音楽のあふれる潤いのあるまちづくりについて、要旨1.音楽フェスティバル事業の支援強化による事業の活性化及び事業ビジョンについて問う、につきましてお答え申し上げます。
青少年音楽フェスティバルも既に8回を数え、音楽愛好家の間では一般化、日常化しつつあります。昨年の実績を見てみますと、参加団体は13団体、観客動員数は608名でございます。他市からの観客も全体の4分の1を占めるようになり、第9回目を迎える今年度の企画運営会議において企画運営に当たるスタッフの熱意はすさまじいものがございます。この事業は、青少年健全育成、とりわけ青少年非行防止対策の一翼を担う一つの取り組みでございますが、数少ない文化活動の中心的な存在でございます。当事業の予算は203万7,000円で、市青少年指導員連絡協議会に委託しており、このフェスティバル以外にも地域青少年育成活動事業ほか3事業を実施し、非行防止にも取り組んでいただいておるところでございます。
ご質問の事業費支援でございますが、それぞれの事業に係る予算の枠取りは、同協議会にゆだねておりまして、音楽フェスティバルの予算はそのうち89万円でございます。限られた予算を有効活用するため、その内容を絶えず見直しながら効率的な執行に努めていただいておるところでございます。
当予算の内容は、特に会場の使用料並びに会場使用に伴う人件費がその主な経費でございまして、そこで練習会場を市の社会体育施設に求めるなどして、できる限り経費の節減に努め、多くの市民参加を促すように、広報活動費に振り向けてまいりたいと考えております。
次に、事業の活性化及びビジョンにつきましては、さきにも触れましたように、近年このフェスティバルへの参加者が他市への広がりを見せている実態があることから、また、近隣市町村においてこのような青少年を対象としたイベントが少ない中で大ホールの舞台に立つことの喜び、またその目標に向かって多くの若者が音楽活動に取り組む姿勢等にかんがみまして、将来この事業が市域を超えた展開を図っていくことも視野に入れ取り組んでまいりたいと考えております。
また、青少年健全育成の観点から、このイベントに参加することによりまして、自己実現への満足感や、出演団体同士の交流、出演団体メンバーと観客との輪の広がり、そして若者みずからプロデュースできる過程が大変重要であると考えており、今後この充実を図ってまいりたいというように考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
◎教育部理事(田中明文君)
続きまして、要旨2.大阪府より助成カットの小中学校の音楽鑑賞事業の市独自支援による事業の継続と活性化について問う、についてお答えいたします。
少子化を初めとします社会の変化の中で、幼児、児童、生徒にかかわる痛ましい事件が相次いで起こり、心の教育の重要性が叫ばれておりますが、今まさに家庭、地域、学校、社会全体の中で、生涯を通じて豊かな心を持って生活していくための学習の場が求められております。本市各学校におきましては、道徳教育を初めとしまして心の教育の充実に努めております。健やかな心の醸成のためには幼いころから豊かな情操を培うことが必要であり、音楽的活動など情操教育の充実にも力を注いでおります。その結果としまして、市内中学校の合唱部がNHK合唱コンクール全国大会に出場したり、吹奏楽部が府のコンクールで金賞を受賞するなど、全国的にも高い評価を受けているところでございます。
ご質問にございます音楽鑑賞事業につきましては、平成7年度より4年間、府の大阪府青少年音楽鑑賞事業の助成を受け、小学校5年生児童を対象にラブリーホールにおいてオーケストラの鑑賞会を実施してまいりました。府の助成が財政事情によりカットされましたので、本市においても一度はあきらめかけましたが、やはり子供にとって大事なものと考え、平成11年度以降においても市独自の事業として継続しているところでございます。児童からは、すごい、迫力があったと好評であり、教員からも、CD等では味わえない本物の感動を与えることができ、情操教育に最適であるとの評価を得ているところでございます。教育委員会といたしましても、児童にとって貴重な音楽的体験の場であると認識しており、今後も継続に努めてまいりたいと考えております。なお、中学校につきましては教育過程変更の時期であり、また、ほかにも演奏会も実施していますことから、現在のところ難しいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
◎市民生活部長(久保昭君)
件名2.要旨3につきましてお答え申し上げます。
河内長野市立文化会館ラブリーホールは、市民文化の創造と振興を図るため、市民の皆様をはじめ多くの方々に広く利用していただいているところでございます。地下1階の展示室いわゆるギャラリーにつきましても平成11年度は187日のご利用がございました。このうち美術等の展示活動にご利用いただいたのが83日で、また、展示目的以外にご利用いただいたのが104日でございました。展示目的以外の利用状況といたしましては、会議や各種パーティー、演劇の練習などでございまして、会議室やリハーサルルームあるいはレッスンルームが先に予約されていたり、60人以上の利用で会議室の収容人数が対応できない場合などにホールの活性化も兼ねて多目的にご利用いただいております。しかし、ギャラリーは美術や写真などの作品展示と鑑賞にふさわしいよう、建築に際し天井を高くするなど、開放感のある空間構成としております。
ご指摘の防音設備を備えることにつきましては、ギャラリー本来の目的でございます各種作品の展示機能面におきまして、利用上並びに視覚上に支障を生じることが十分予想されます。このため、今後もギャラリーの機能を生かした利用に努めてまいりたく存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、大阪シンフォニカーのフランチャイズ化の件でございますが、当楽団につきましては、ご承知のとおり、大阪で活動しているプロのオーケストラ4団体のうちの一つでございますが、ラブリーホールオープンのときから練習や公演にご利用いただいております。ご指摘のフランチャイズ契約につきましては、大阪シンフォニカーと本市の双方が共通の目的達成に向けて協力し合うこととなりますが、双方の意向はもちろん、市民ニーズの把握なども重要となってまいります。今後、関係機関と協議しながら、他市の事例なども踏まえて研究してまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
◆3番(増田正博君)
丁重なるご答弁、ありがとうございました。
少し意見を申し上げたいと思います。
先ほどからIT革命に応じましたサイバー行政ということで言うていますけど、これからの方向性としましたら、行政はワンストップ化、窓口の総合化ですね、それからノンストップ化、夜間・休日対応のそういう行政、また、マルチアクセス化、さまざまな方法で手続が可能になる、自宅からも手続ができるという、そういう方向が得られると思います。そういう中で、千葉県の市川市の電子行政、e行政を、新聞に掲載されていたんですけど、これを見ますと、コンビニエンスストアをそういう窓口にしまして現在行政が行われているということで、ローソンとかサンクス、ヤマザキストア、これを中心に首都圏の1,686店の店でそういう市民サービスをされていると。1日にそのアクセスが、4,400件のアクセスがあると。こういうような進んだ行政をされております。そういうことで、いろんな問題もあるとは思いますけど、またその辺、検討して、導入していっていただきたいというように思います。
以上です。
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