◆2番(増田正博君)
ご指名をいただきましたので、通告順に従い質問いたします。
件名1.保健福祉施設について。
要旨1.人間ドック助成引き上げ及び脳ドック助成へ国保助成事業の拡大について。
河内長野市は、人間ドック国保助成事業を中部ブロックで先駆け、昭和55年に導入、現在まで15年以上経過しました。他市町村も平成7年にかけて順次導入してまいりました。昭和54年導入の羽曳野市は平成8年4月より助成額を50%より70%に引き上げております。健康保険でも70%助成になってきています。市の人間ドック受診者は平成7年度で102人、平成8年度2月末現在で115人の申し込みになっています。仮に平成8年度115人の70%助成であれば費用は322万になります。平成8年度人間ドック予算、疾病予防費564万円、250人分であり、不用額を充当するだけで十分足ります。70%助成への引き上げを見込んで受診者が3割ふえたといたしましてもまだ余裕があります。ご所見をお伺いいたします。
次に、脳ドック助成についてであります。
脳ドックは、磁気共鳴診断装置MRIなどで脳腫瘍の有無や、脳卒中、血管異常、脳閉塞の危険予知を早期診断できます。南河内8市町村で助成を実施しているのは、松原市平成8年、河南町平成6年、千早赤阪村は平成5年であります。特に河南町と千早赤阪村では河内長野の寺元記念病院を利用して助成事業を実施しています。地元の本市でも助成事業を実施してはいかがでしょうか。気の毒なことですが、動脈瘤破裂による死者は4割になり、早期発見、早期治療により9割は完治するとも聞いています。動脈瘤破裂の場合の月間治療費は1,000万円以上にもなり、数ヵ月かかると大きな治療費になります。人間ドック、脳ドックは病気の早期発見、早期治療につながり、結果的に医療費の節約につながることから、予防に力を注ぐ自治体もあると聞いています。ご所見をお伺いいたします。
要旨2.在宅ケア支援情報システム(電算化カードシステム)導入の取り組みについて。
平成7年6月議会の私の個人質問の提案に対して、研究を深めてまいりますとの答弁でありました。サービスのスピードアップ、医療・保健・福祉を一本化させた総合ネットワークの整備、基本台帳との連動化、在宅高齢者のデータ管理等、高齢対策課と保健福祉センターへの端末機の設置、在宅サービススケジュール管理、サービス決定・サービス通知の自動化システム等について、本市のコンピューターオンライン・LANシステム導入が図られましたことから、以上のこれまでの進捗状況、取り組みについてのご所見をお伺いいたします。
要旨3.24時間巡回型ホームヘルプサービス導入の見通し、ヘルパー派遣車両の必要台数と整備計画、ヘルパー養成研修について。
平成9年度の予算で早朝・深夜対応の老人ホームヘルプサービスの新規実施が行われることとなり、一歩前進と評価いたします。5時から23時までの対応が可能になりました。24時間巡回型ホームヘルプサービスの実施は、23時から5時までの6時間のサービスの空白状態であります。在宅介護の不安の解消はサービスの空白をなくすことであります。入院しなくて済んだ、介護疲労の軽減、安心して眠れる、医療との連帯など大きなメリットが期待できます。24時間ホームヘルプサービスと在宅支援センター等の24時間ホットラインとの連係により在宅介護の安心感も一層増進するものと思われます。モデル地域ケースの策定により実施してはいかがでしょうか。
次に、ヘルパー巡回車両の整備計画について。河内長野市は公共交通機関が少なく、また、市域も広大であり、したがって機動力は大切になってきます。基本的にヘルパー1人に1台の車両が必要と思われます。巡回型と滞在型の区別をきっちりつけることも大切です。巡回型は常勤ヘルパーで、滞在型は地域ヘルパーでがっちりサポートすればよいと思います。ヘルパー養成研修について、来る高齢社会に対応するにはホームヘルプサービスの質と量の向上は欠かせません。質の向上のために3級養成研修派遣は取りやめて、2級養成研修一本に絞ってはいかがでしょうか。また、大阪府へ派遣している2級養成研修を続けるのも方法ですが、研修が長期間にわたる中だるみもあり、遠方まで出かけての養成研修は受講者には大変なようであります。そこで、量の確保のため、市独自のカリキュラムを作成して2級養成研修に取り組み、1回の受講者を20人から30人程度とし、1日6時間、22日、130時間程度、施設研修も含めて1ヵ月半ぐらいで修了する養成研修を取り入れてはいかがでしょうか。あわせてご所見を伺います。
件名2.烏帽子形公園整備計画について。
要旨1.烏帽子形城復元計画について。
NHK大河ドラマ毛利元就の先祖は、加賀田の大江時親であります。毛利元就は、大江軍学で中国地方を制覇しました。秋には元就の築いた山城があります。広島市森林公園にはその山城を復元しています。毛利元就博がこの3月15日土曜日から12月14日土曜まで広島城二の丸、天守閣、森林公園の3会場で開催されます。元就の山城と楠木正成の出城の烏帽子形の山城の形状が非常に似通っていることに気づくでしょう。どちらも大江軍学により築かれたものであるからです。自然と歴史の学べる風致公園として付加価値をつけることにより、公園の魅力も増し、訪れる方のリピートも期待できるのではありませんか。毛利元就、楠木正成、大江時親等の歴史の関連も視野に入れ、烏帽子形公園復元計画に取り組まれてはいかがでしょうか。ご所見を伺います。
要旨2.風致公園として山と川の自然観察のできる公園整備について。
子供のころの思い出として皆様、山遊び、川遊びの経験をお持ちでありませんか。これは、烏帽子形公園整備に本格的に取り組むことになりました。この公園の裏手に石川が流れています。その付近は川幅も比較的広く、なだらかな、河内長野市内では数少ない親水のできるウオーターフロントの実現可能な区域であります。野原も取り入れ、ふるさとの景観整備等していけば、山、川、野原の3つの自然観察できる公園になります。一級河川は大阪府の管理区域になりますが、積極的に働きかけ、実現に向けて努力されてはいかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
要旨3.公園周遊道路の工夫と花の文化園とのアクセス遊歩道の設置について。
烏帽子形公園は山の起伏が激しく、山の往復に弱者には向いていません。そこで、周遊できる工夫が必要であります。公園敷地内での工夫、高野街道として市道長野小塩線の工夫、里道等の改良工夫により有機的にリンクすれば周遊可能になるのではありませんか。また、花の文化園等の近隣施設との安全なアクセス遊歩道を検討してはいかがでしょうか。
1.花の文化園の山すそを通るコース、2.市道三日市高向線の道路拡幅及び歩道設置のコース、3.町井橋側道の歩道を通り、市道本町町井線を通り、高向農道から石川に遊歩道を架けるコース、4.町井橋下流をウオーターフロント整備の歩道を河川上につくるコースの4つが考えられます。3の石川に歩道を架けるコースは個人所有者の協力が得られて橋が架けられれば、三日市方面だけでなく、高向、上原、錦町の方面より歩いて公園利用が可能になります。市道栄台1号線より西南への新橋の利用と関連性を持てれば、南海河内長野駅へも徒歩で行けるようになります。花の文化園等への安全なアクセス遊歩道の整備が必要ではありませんか。ご所見を伺います。
以上2件につき誠意ある答弁をよろしくお願いします。
◎市民生活部長(谷勝君)
件名1.保健福祉施策について、要旨1.国保助成事業の拡大についてお答えいたします。
国民健康保険の保健事業の一環として、疾病の早期発見及び早期治療を推進することを目的に、保険料を完納している被保険者を対象に昭和55年度より半日人間ドック半額助成事業を当初1ヵ所の医療機関に委託して開始し、以後、受診機会をふやすため委託医療機関の拡大に努め、現在では4ヵ所の医療機関に委託しております。
検診項目といたしまして、問診、現症、循環器、呼吸器、内分泌、血液化学、一般血液、一般尿、腎機能、眼科、耳鼻科、婦人科等一般的人間ドックの検診項目を網羅しており、一部の医療機関においては脳外科も実施しております。最近の受診者の状況といたしまして、平成6年度で128名、平成7年度で102名、平成8年度2月末現在で115名の申し込みがありますが、最近はやや減少傾向になってきております。この原因の1つとして、市立保健センターでの健康診査事業の普及・充実があるものと考えられますが、人間ドックの受診は、疾病の早期発見、早期受診につながり、結果として医療費の抑制につながっていくものでありますので、今後とも委託医療機関の拡大や骨密度検査について検討するなど検診項目の充実に努めてまいりたいと考えております。
国民健康保険事業におきましては、保険料をもとに本助成事業を実施している関係から、ご質問の助成の引き上げ及び脳ドック助成につきましては、厳しくなってきている国保財政状況等から見て慎重に対応していかなければならない問題であると考えておりますので、ご提案を今後の研究課題として受けとめさせていただき、取り組んでまいりたいと考えております。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
◎保健福祉部長(中野祐作君)
件名1.要旨2の、在宅ケア支援情報システムの導入の取り組みについてのご質問にお答えいたします。
人生80年、長寿社会を迎え、今後、介護が必要な老人、寝たきり老人や痴呆性老人等健康に不安を持つ方々が増加するものと予想されます。また、核家族によっても独居老人や老人世帯も増加するものと考えられます。このような状況の中で、個々の世帯に合った効率的な在宅サービスの提供、在宅ケアを行う上で各関係機関の連係が非常に重要となるとともに、連係が有機的に作用するためには、パソコン等による各世帯の健康状態等を含めた情報の管理、相互利用が大きな課題となります。対象者や関係機関が多くなるほど運営体制の強化が必要となることから、今後もこれらの機器及びシステム等の研究を深めるとともに関係機関の連係をより強化し、高齢者福祉等の推進に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
次に、要旨3の、24時間型巡回型ホームヘルプサービス導入の見通しとヘルパーの巡回車両の必要台数等の整備計画、またヘルパーの養成研修についてお答えいたします。
本事業におきましては、本市も在宅福祉事業の重要施策として位置づけております。もともと家事サービスでの派遣のみであったところへ身体介護サービスも導入し、また、常勤のヘルパーのみであったところへ市社会福祉協議会の時間給ヘルパーの登録制度を設けるなど、内容の充実、マンパワーの拡大に努めてきたところでございます。さらに昨年度から、常勤ヘルパーの正職化による身分の安定を図る一方、ヘルパーコーディネーターを中心としたチーム運営方式の導入を実施してきたところでもございます。これによりまして、平日のみの派遣を、昨年度には土曜、日曜、祝日等も派遣することにいたしたのをはじめ、派遣時間も午前7時から午後8時まで拡大し、おむつ交換、安否確認などの巡回サービスに取り組んできたところでもございます。さらに、平成9年度からはチーム運営方式のチーム数を従来の1チームから2チームにふやし、派遣時間帯も午前5時から午後11時まで拡大し、巡回サービスを提供していく予定でございます。これにより、24時間のうち18時間までが派遣可能となり、24時間派遣体制に向け一歩前進できるものではないかと考えております。
次に、ヘルパー巡回型車両の件につきましてお答えいたします。
現在、市社会福祉協議会におきまして訪問自動車5台とミニバイク2台を配置し、その運用に当たっておりますが、今年度中に訪問自動車を1台配置し、さらに平成9年度に1台配置の予定でございます。これにより、ヘルパーの機動力が相当増すものと考えておりますが、今後もヘルパーの人員、派遣時間帯等十分現状を見据えまして適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、ホームヘルパー養成研修でございますが、ホームヘルパーの養成につきましては、大阪府では毎年2回、2級の介護型と3級の家事型を養成する講座を実施してきているところでございます。養成したヘルパーの資質の向上につきましては、定期的な研修のほか、3級の家事型ヘルパーを2級の介護型ヘルパーにステップアップさせるため、毎年10名程度大阪府の実施する養成講座に参加しております。今後もホームヘルプサービス事業のニーズに対応しながら、その実施に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。
以上です。
◎地域振興部長(石原修美君)
続きまして、件名2.烏帽子形公園整備計画につきまして、要旨1.烏帽子形城復元計画につきましてお答え申し上げます。
現在烏帽子形公園として整備を進めております烏帽子形山は、中世の城跡でありまして、市の史跡に指定されているところでございます。そこで、公園事業を進めるに当たりまして、貴重な文化財を保全するため、昭和63年度に発掘調査を実施いたしておりますが、調査の結果、山頂付近で烏帽子形城のものと思われる基礎石、建物跡が確認され、かわらも出土していますので、かわらぶきの建物であったことが予想されます。歴史的に見ますと、この城は、元弘2年に楠木正成が千早籠城の際、築城されたと伝えられております。一方、考古学的に見ますと、発掘調査の出土遺物から、遅くとも14世紀の終わりごろには築城されていたと推測されます。また、文献によりますと何回か改修、改築が繰り返されたようでありまして、室町時代中期にさかのぼるものと考えられます。
このように、烏帽子形公園の計画区域は貴重な歴史的遺産を有しておりまして、この公園のもう1つの財産であります自然環境と相まって保全活用してまいりたいと考えておりますが、ご質問の烏帽子形城の復元となりますと、築城当時の姿を特定できる史料がないことや、現況が樹林地となっていることから、本公園の整備目的でございます自然環境を保全していく考えでおりますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、現在発掘されました礎石は、土を埋め戻し、現状で保存いたしておりまして、説明板を設けております。また、当時の空堀は、堀の道と名づけまして、歴史と自然に触れる散策路としてご利用いただいているところであります。今後もさらに市民の皆さんに歴史探訪していただける公園となりますよう、説明板等の充実に取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
続きまして要旨2につきましてお答えいたします。
風致公園として山と川の自然観察できる公園整備についてのご質問でございますが、現在、市民の皆様に多種多様な自然と触れ合っていただく場といたしまして、昭和60年度に事業認可を受けました16.1ヘクタールの区域のうち、昔ながらの自然風景を残した動植物の生態系を良好に保全するゾーンと、園路散策による観察ゾーンとして10.74ヘクタールの整備が完了しており、豊かな四季の変化を体感していただく場として広く市民の皆さんに利用していただいているところでございます。残りの5.36ヘクタールにつきましては、大地の持つ緊張感や安定感を感じる自然地形を最大限に活用いたしまして、烏帽子形山の自然環境や歴史的遺産を財産として、将来にわたり自然の聖域として保全するゾーンや、起伏に富んだ遊歩道や、なだらかな広場を設けまして、自然の中での散策やレクリエーション活動を通じて自然を身近に体感学習できるゾーンなどの整備を行うとともに、説明板等を設置し、よりよい利用案内に努めてまいりたいと考えております。
また、烏帽子形山の北西を流れる一級河川石川につきましては、大阪府の石川あすかプランの一環として進められております親水性を持った河川整備を府に要望してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
続きまして、要旨3.公園周遊道路の工夫と花の文化園とのアクセス遊歩道の設置についてお答え申し上げます。
烏帽子形公園につきましては、計画地内の踏み分け道等を活用し、園路を設け、園内を散策していただく計画でございます。一部は既にご利用いただいているところでございますが、公園区域内の外周部は一部急峻な地形となっておりますことから、周遊道路の設置は大変難しいと考えております。しかし、公園西側及び北側の石川沿いを除きました区域は、市道に接しておりますことから、公園の園路につきましては、これらの市道に連絡することによりまして市道と相まって公園の周りを散策していただけるよう取り組んでいるところでございます。今後につきましても、活用できる市道敷等と有機的に機能できる園路整備にも努めてまいりたいと考えております。
また、本公園は、河内長野駅と花の文化園との中間点に位置し、テクルートの1つのコースでもあり、また、仮称ふるさと古考館も開設されますので、それぞれの施設の相互利用を図ることは重要であると考えております。今後、既存市道等を活用しながら、誘導サイン等の充実を図り、施設のネットワーク化に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
◆2番(増田正博君)
誠意あるご答弁、どうもありがとうございました。
時間もありませんので、一言、要望と質問をしておきたいんですけど、先ほど、烏帽子形城ということですけど、これが向こうの森林公園につくっている展望台ですね、非常にそっくりの形状のところにそういう施設として展望台としましてお城を復元しているんです、森林公園のね、広島の。そういうのを一度研究していただきまして、丸太づくりでやれば大した費用も要らないような気もしますので、研究していただきたいというように思います。
あと、先ほどの件名2の方からですけど、公園の石川を渡る架橋をつくりましたら、公園の利用が双方からできるようになり、非常に市民の方に利用できやすい公園になるような気がします。その辺、全庁的なとらえ方で検討していっていただきたいというふうに思います。
件名1の方なんですけど、脳ドック、人間ドックの方ですけど、費用的に、どちらが鶏でどちらが卵かということにもなるかもわかりませんけど、今の予算でできないことはないというように思いますので、その辺しっかり検討して、早期に導入していただけたらありがたいと思います。
要旨2の方は、2年前の質問の時と少しも変わっておりません。勉強しているのかなというふうに思います。しっかりこの辺、勉強していただかないと、高齢社会はもうすぐそこにありますので、おくれをとらないよう、しっかり勉強してほしいと思います。
要旨3の方ですけど、巡回型のホームヘルプサービスの府の予算も使いながら充実してきておるわけなんですけど、その辺、地区を限定したモデル事業としてやっていただきたいというふうに思っていますので、この辺、早急に実現−−モデルがないと次には移れないと思いますので、1チームだけでもやるとか、そういうのを決意を聞かしていただきたいと思います。
◎保健福祉部長(中野祐作君)
再質問にお答えします。
来年度から24時間ヘルプの一環といたしまして取り組んでまいる所存でございますが、その中にありましてケース等が発生しましたならば、どういうものかということについての対応も考えながら取り組んでまいりたいと思います。
以上です。
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