◆2番(増田正博君)
ご指名をいただきましたので、通告順に従いご質問をいたします。
アフリカのジブチ共和国アプティドン大統領の1977年9月の国連にてのスピーチには、真の民主主義者とは、金力や権力によって堕落することを拒否し、貧しい人々の権利を擁護する人のことである、なぜならば、彼にとって民主主義とは単なる言葉ではなく、平等をかち取るための懸命な闘いであるからだ、とあります。「民主主義は与えられるのではなく、かち取るもの」との民主主義の至言であると思われますのでご紹介いたしました。
さきの9月15日は敬老の日として市内でもさまざまな慶祝の行事が行われたところであります。そこでまず高齢者福祉施策の充実についてお尋ねいたします。
件名1.保健福祉施策について。
要旨1.高齢者の保健福祉に関する窓口の一本化を図れ、についてであります。
60歳以上の要介護高齢者及び40歳以上で寝たきりまたはそれに準ずる状態にある人に対する保健福祉に関する窓口を一本化して、相談から申請手続までを1カ所で行える高齢者相談窓口を福祉事務所内に設置してはどうか。相談窓口には担当チーフ、保健婦、ケースワーカーの3名の専任職員の配置により、高齢者に関する各種の相談に総合的に対応するとともに、必要に応じて訪問調査を実施し、処遇方針の立案からサービス提供機関との調整まで行うようにしてはどうか。要介護高齢者のいる世帯では保健福祉サービスを本当に必要としていますが、介護に手をとられ、情報不足やあきらめ等で満足にサービスを受けられずにいることを見受けます。現在、福祉事務所でもいろいろ工夫されていますが、抜本的な解決には至っていません。市民から見て保健福祉サービスの窓口がわかりにくいので、手続の簡素化を図る観点からも一元的な相談窓口の開設が必要であると思われます。ご所見をお伺いいたします。
要旨2.市立福祉センター「錦渓苑」改修計画について。
昭和50年6月10日の開館以来、市民に大変親しまれてきました同福祉センターも、開館以来20周年を迎え、施設の老朽化を招いています。部分的な改修は行われていますが、時期的に早急な抜本的全面改修の時期に来ているものと思われます。また、事前調査も行われていると伺っていますが、今後の改修計画への取り組みについてご所見をお伺いいたします。
また、大変なご努力で温泉まで設置しているわけでありますが、改修時には大浴場にも付加価値をつけて人工温泉のラジウム風呂を取り入れてはどうか、あわせてご所見をお伺いいたします。
要旨3.コミュニティーバスに高齢者乗車無料パス制を導入してはどうかについて。
9月1日より南海電鉄と共同事業として河内長野駅と日野・滝畑地区を結ぶコミュニティーの貸切バスの運行を開始しました。そこで70歳以上の高齢者福祉対策として、高齢者乗車無料パス制度の導入を図ってはどうか。高齢者福祉施策の一環として全市的な路線バス利用券の発行となると福祉財政支出は高負担を免れませんが、コミュニティーの貸切バスの空きスペースの活用の乗車であればバス券発行の手数以外には大した負担はかからず、効果的な実のある施策になります。大阪市や高槻市の市営バス施策にも通じるものがあるように思われます。高齢者の足の確保と行動の利便性の向上を図るとともに、平成12年運転開始予定の第2焼却場の見学会や、日野・滝畑地区への行楽に、また、焼却場の余熱利用による周辺整備として高齢者福祉利用の施設等の整備計画を日野・滝畑地区に図ってはどうか、ご所見をお伺いいたします。
件名2.市民農園施策について。
要旨1.市民農園の整備促進を図れ、についてであります。
市民の余暇活動としての農作業として最近家庭菜園等の土いじりを楽しむ市民がふえてきています。これまで農地を農民以外に貸し出すことはできない等の制限がありましたが、1990年、平成2年に市民農園整備促進法が成立、一般市民が農地を菜園として利用したり休憩施設を設置することも認められた。一方、本市での取り組みは4H、農研等の農家の有志が入園契約方式による従来からの取り組みをしています。また、大阪府のモデル事業として府下5市のうちの1市として向野アメニティ農園入園契約方式を平成4年から5年にかけて整備されご努力されていることも存じ上げております。市民の余暇活動としての農作業を行うための市民農園を整備して、健康でゆとりのある市民生活に資するとともに、良好な都市環境の形成と緑地・農地の保全を図るために市民農園整備法を踏まえたクラインガルテン等の休憩施設などを設置した良好な農地を市民が有償で長期間借り上げることのできる市民農園の整備を新しい時代の農業モデル事業として推進していただきたい。今後の良好な農地をつくるため、耕地整理やあかとんぼ計画等の事業の際にも検討をしていただきたい。ご所見をお伺いいたします。
件名3.バス交通対策について。
要旨1.南花台線の河内長野駅乗り入れについて。
ご存じのように9月1日より南花台線バスが昼間の時間帯8便が河内長野駅乗り入れを開始しました。当初、市内循環バスの整備の検討が進んだのでありますが、道路網の未整備の中で運行は現状では困難との結論に至った模様であります。そこで、以前より市民要望の多い南部地域より市内中心部への公共施設への交通の利便性の向上を図る目的で河内長野駅へのバス乗り入れが実現したわけであります。南海電鉄における従前よりの河内長野方式へのこだわりの中、交通対策室のご努力により、バス路線方針の変更をかち取り、乗り入れが実現したものであります。さて、その現在のダイヤを見ますと、始発が9時であります。そこで、8時台の始発で9時には公共施設に着ける便の運行の要望がありますので、ご検討をお願いいたします。また、河内長野駅始発の便の人気が高く、三日市駅で待っていた乗客が満員で積み残しが出る便もあるそうです。より一層のバス路線のダイヤの充実を期していただきたい。
また、かねてより要望のあります市役所への乗り継ぎ割引切符の発行の検討も来年4月の見直し時期に導入してはどうか、ご所見をお伺いいたします。
要旨2.大矢船西町新バス路線運行についての現状。
今議会に大矢船西町ロジェ長野448団地自治会より自治会員の署名を添えた自治会長名の早期バス新路線運行の要望が届いているところであります。南海電鉄より廃止バス路線の要請が2カ所あり、全体としてバス路線の縮小を検討しているところであり、バス新路線を南海より運行しようというもったいない話であります。地元住民には高齢者や体の弱い方もいらっしゃり、お困りのご様子であります。南海電鉄では既に2年前、路線バスの購入も終え、バス方転地等の問題もクリアしていて、いつでも運行できる状態にあると伺っていますが、取り組みについてのご所見をお聞かせください。
以上です。
◎保健福祉部長(中野祐作君)
件名1.保健福祉施策について、要旨1の高齢者の保健福祉に関する窓口の一本化を図れ、についてご答弁申し上げます。
本市におきましては、老人保健福祉計画に基づき施設の整備や人材確保、新規制度の創設等によりサービスの充実に努めているところでございますが、これらの施策にあわせて、利用者の皆様に気軽に相談し、また簡単に手続をしていただけ、迅速にサービスが提供できる、このような体制づくりも重要な課題であると認識しているところでございます。一方、要介護老人へのサービスの提供につきましては、介護の重度化、複雑化に伴い、保健、医療、福祉の連携が不可欠となってきております。このような状況の中で、本市では、保健、医療、福祉の各担当者から成ります高齢者サービス調整チームを設置し、関係機関相互の情報交換により利用者の手続等に係る負担の軽減を図るとともに、脳卒中地域ケアシステムを活用することで退院後の必要なサービスを事前に把握し、保健福祉の連携による迅速なサービス提供に努めているところでございます。また、保健福祉に関するどの窓口におきましても高齢者に係る各種サービスを総合的にお知らせすることができるように、1つにまとめた情報冊子として「長寿ふれ愛ガイドブック」を備えまして、情報提供の一本化を図っているところでございます。今後とも、要援護老人等のニーズに対しましては、保健、福祉部門が一体となった対応に努め、より一層のサービス利用の簡素化、円滑化を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。
次に要旨2の福祉センター「錦渓苑」の改修計画についての現状の取り組みと、改修時には大浴場に人工ラジウムを取り入れてはどうか、についてお答えいたします。
福祉センター「錦渓苑」は、高齢者、障害者、母子家庭の母子等の健康増進や教養の向上及びレクリエーションの場として昭和50年度に新築オープンいたしまして、築後20年を経過し、老朽化によりまして汚損、破損とともに当初機能の低下が見られる状況になってきております。このため、平成4年度におきまして抜本的に保全改修のための調査をいたしましたところ、空調設備、給排水衛生設備、電気設備等を中心に大規模改修の必要性があると判明いたしました。また、改修に当たりましては本市市有建築物全体に係ります保全改修推進計画策定の中で優先順位の整合を図り実施すべきものと考えております。
次に浴場につきましては、現在、男女それぞれ長野温泉より鉱泉を引き込んだ温泉槽、マッサージ効果の得られる気泡槽、そして白湯槽の3つの浴槽を備えており、利用者から好評を得ているところでございます。福祉センターの改修に当たりましては、時代のニーズを踏まえ、法的、技術的に可能な限りリフレッシュいたしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に要旨3の高齢者無料パスを取り入れてはどうか、についてお答え申し上げます。
ご質問の趣旨から考察しますと、自営交通手段を持つ自治体におきましては、乗車無料パスの発行が考えられ、また、既に運用されている自治体もございますが、人生80年時代を迎えた今日、高齢者社会に対応した社会システムを構築することが大きな政策課題となってきております。本市において整備しなければならない具体的な目標を示したのが河内長野市老人保健福祉計画でございます。中でも要援護老人へのサービスの充実を最優先課題として、現在この目標達成に向かって全力で取り組んでいるところでございます。また一方、この計画は、健康な高齢者の社会参加を促進するための生きがい対策として老人大学の設置、老人クラブの充実、またスポーツ大会の開催、さらにシルバー人材センターを初めとする高齢者の就労促進、福祉センターの活用の場の充実確保等、高齢者が具体的に活用できる、地域に根づいた、高齢者にやさしい、心豊かな長寿社会の建設に努めてまいりたいと考えておりますので、コミュニティーバスの高齢者無料パスにつきましては、今後の福祉の方向性を見定めながら慎重に対応していかなければならないと考えるところでございます。
次に焼却場の熱利用による施設でございますが、熱供給施設は広域行政管理のもとの施設であること、立地条件、今後の住民ニーズの把握、福祉計画等、その進捗等々の整合を図りながら対応していきたいと考えておりますので、よろしくご理解いただきたいと思います。
環境経済部長(藤進君)
件名2.市民農園施策について、要旨1.市民農園の整備促進を、についてお答え申し上げます。
ご承知のように本市は北に大阪市という大消費地を控えた近郊地域として、温暖な気候と小規模ながらも安定した農産物供給地として発展してまいりました。本市は昭和30年代後半から宅地開発が進み、本市自身が都市的色彩を濃くするまちに変貌しまして、府下有数の郊外住宅地としても発展してきておるところでございます。とりわけ、近年増加しております勤労者の余暇利用の機会として、緑、土といった自然と触れ合う場が求められている社会の情勢からも、気軽に農作物を栽培できる市民農園の利用が増加しております。本市におきましては約15年前から農業研究会、4Hクラブの方々の農業団体による貸し農園の開設が始まりまして、これを契機として水田等の休耕地を活用した農園が各地で開設されまして、現在ではこの団体の運営する農園だけで21カ所、約1,000区画に達しており、多くの市民の方々にご利用いただいております。中でも平成6年度から向野町に開設いたしましたアメニティ農園は、大阪府の生産緑地農業活性化モデル事業の採択を受けまして、地元農家の共同運営により、手洗い場、休憩施設、農機具用倉庫を設置して、利用者ニーズにこたえた設備の整った農園として市街地の方々に好評でございます。
このように、利用希望者の増加によりまして新規開設の要望も高いところではございますが、市街化地域におきましては現在の税制度では農地の相続に伴う相続税の猶予措置の基準が、みずから耕作しているということが前提となっておりまして、農園としての利用方式がこの点に該当しないことから、農家が農園への貸し出しに不安を持っておられる事例もあらわれております。また、農園利用者のニーズは多様化しておりまして、それにこたえた内容の農園開設には、農地を提供する農家、隣接農家、農協等各機関など多くの協力を必要としますが、利用者にとっては、立地条件、交通の便、設備等の点から、予定した入園者が集まらないという事例もございます。農業本来の振興を基本に考える中で、ご提言のあります市民農園につきましても、さきに述べました点も十分踏まえまして、市民のニーズにこたえる農園の開設について、今後とも農業団体、農協と十分調整を図りながら農園整備に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
◎建設部長(向井亨君)
件名3のバス交通対策について、まず要旨1の南花台線の河内長野駅乗り入れについてからお答えを申し上げます。
本市のバス輸送網につきましては、鉄道末端の輸送体制としましてほぼ確立していると言えます。しかしながら、一方、各地区と中心市街地の公共施設を連絡する機能に欠ける面もございまして、かねてからの懸案事項となっておりました特に南ケ丘、大矢船、南花台方面の市民から乗りかえなく河内長野駅やその周辺の公共施設へ到達できるようなバス路線を求める声が市や市議会に強く寄せられておりまして、本市としましてはバス事業者との間でバス路線の見直し再編について鋭意協議を重ねてまいったところでございます。その再編の一環としまして、本年9月1日より南ケ丘、大矢船、南花台方面と三日市町駅筋を結んでおりました南花台団地線を河内長野駅へ延伸させたものでございます。現在のところ、昼間の時間帯の9時から16時の間に8往復の便数でございますが、河内長野駅への乗り入れを開始して以来、多くの方々にご利用いただき、喜んでいただいているところでございます。
しかしながら、ご質問にもございましたように、時には満員の状態もあると聞き及んでおりますし、朝8時台にも運行を求める声があるとのことでございますので、今後利用状況などを見定めながら、利便性の向上に向けまして南海電鉄に対しさらに働きかけてまいりたいと考えておりますので、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、南海自動車部では、乗り継ぎ制度の導入、いわゆる割引切符の発行について、来年春をめどに実施する方向でただいま検討いたしております。
次に件名3の要旨2.バス路線についての現状についてでございます。
ご質問の大阪府住宅供給公社の大矢船西町ロジェ長野448の住宅建設に係ります新バス路線の現状についてでありますが、この件につきましては、さきの6月市議会でもお答え申し上げておりますように、当初から3期にわたる入居時期に合わせまして順次バス運行ができるよう大阪府住宅供給公社、南海電鉄株式会社と市の三者で協議を進めてまいりました。バスの運行は地元自治会としましては非常に関心事の高い問題でございまして、地元大矢船自治会を通じまして沿道の住民の方々を含め、たび重なる説明会を実施いたしまして、理解を深めるよう努めてまいったところであります。しかし、自治会役員の任期が1年限りで申し送られるなど、意見がふくそういたしまして、住民合意形成がなされず、いたずらに時間が経過いたしておりますので、平成7年8月18日付で、市、大阪府住宅供給公社、南海電鉄の三者によります連名で最終的に地元自治会長あてに新バス路線の運行計画について提示させていただき、地元住民の方々の合意形成を図っていただくようお願い申し上げました。これに対しまして9月6日付で市並びに住宅供給公社、南海電鉄の三者に対しまして、この問題に対して鋭意努力いたしているが、自治会全体の意向が集約される段階に至っていないので、いましばらくの配慮をしてほしい旨の回答が寄せられております。一方、ロジェ長野448団地自治会からは、バス新路線の早期開設についての要望書が市議会や市に寄せられていることはご案内のとおりでございまして、我々三者といたしましては9月13日付で連名で再度、さきに提示しました運行計画で住民合意を醸成していただく文書を大矢船自治会会長あて届けております。いずれにいたしましても、経済的な面におきましても、運輸局の関係手続の関連におきましても、限度いっぱいのところでございますので、自治会の合意を基本に進めておりますが、現状下、ロジェ長野448新住民の足の確保を優先して進めてまいる所存でございます。
以上です。
◆2番(増田正博君)
どうも丁寧なご答弁ありがとうございました。
今の3件の中で要望事項をちょっと申し上げたいと思います。
先ほどの高齢者無料パスの件なんですけど、確かにばらまき補助金というその辺の危惧はあるんですけど、的確な歯どめができ得ましたら、これ以上安上がりで効果的な市民の利便性に資すると思われるそういう施策はないと思いますので、もうちょっと勉強をしていただいて、効果的な施策になるように努力をしていただきたいというふうに思います。
市民農園の件なんですけど、第3次総合計画(案)の中にも入っていますとおり、公園、緑地の部分でも、60ページとか、農業の部分ですね、118ページに示されているとおり、ドイツのクラインガルテンという部分をモデルにしたそういう良好な市民農園が各地に先進的にできてきておりますので、精力的にやっぱりニーズの高いものを優先する行政をやっていただきたいというふうに思っています。
バス路線の方ですけど、今よくわかりました。住民の合意というのは確かに大事なことでありますけれど、いろんな角度から要望というものはあるものでありまして、なかなか合意というのは難しいと思いますけど、要望が出てきておりますので、その趣旨に沿って精力的にやっていただきたいというふうに思います。
あわせて、南花台線との整合性というものも視野に入れられれば、その辺も検討しながらやっていただきたいというふうに要望しまして、私、質問を終わります。
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